平成27年9月/中部地区川柳大会の秀句
「ガラス」
とつとつと戦争語るラムネ玉 早川節子
嘘一つワイングラスの底に埋め 沢田正司
老々介護ガラスの脆さ抱いている 武藤敏子
「ガラス」
ドラマ百態高層ビルの窓あかり 佐々木孝子
頂点の椅子はガラスで出来ている 島津敏子
強化ガラスにしたい平和もわたくしも あだちのどか
「濡れる」
哀しみに濡れ一本の棒となる 板橋柳子
家族葬にしましたハガキ濡れて着く 武藤敏子
濡れるのも命懸けだと笑う海女 小田善作
「濡れる」
土砂降りへママを待てずに駆け出す子 竹平和枝
しっぽりと濡れる宇宙の片すみで 加藤田鶴子
やさしさに最後は泣いたいじめっ子 木村英昭
「冴える」
耳冴えて進軍ラッパだけ拾う 岡戸君江
バリトンの冴えてコールが鳴りやまぬ 中川洋子
人間の森で冴えてる電子辞書
「冴える」
月冴えてわたしに守るものがある 住田勢津子
冴える日は一円玉を使います 稲垣康江
一杯でさえ三杯で愚痴になる 平松由美江
「蛇行」
蛇行から拾う辞書にはない言葉 佐藤文子
戦争は嫌だとデモは蛇行する 丸山進
スピーチの蛇行に沸いた披露宴 武藤敏子
「蛇行」
人は皆愚か蛇行の歴史編む 時任敏子
難民のうねり黙って見逃せぬ 佐竹マスお
蛇行を許す青春の一ページ 浅井典子
「鮮やか」(事前投句)
閃光が走るあの日を凍らせて あだちのどか
タッチアウトホームベースの土が舞う 川瀬秋広
入魂の竹刀一閃面を撃つ 細沢東風

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