歴史と伝統の中日川柳会の秀句 |
令和元年6月句会の秀句 |
「空っぽ」 浦山久仁重 選 | ||
空の壷に今日一日を生きる水 | 早川節子 | |
肩書を消すと空っぽだと分かる | 小川正塔 | |
空白のままにはしない鉤括弧 | 喜多村正儀 | |
「やりがい」 加藤友三郎 選 | ||
収穫万歳大地は汗を知りつくす | 川村道子 | |
頼られているないそいそ米を研ぐ | 廣田洋江 | |
雑草も生きて小さな実をつける | 喜多村正儀 | |
「飛躍」 梶田隆男 選 | ||
好奇心飛躍の門を開ける鍵 | 浅井典子 | |
雄渾の筆致視界を飛躍させ | 小柳津絢子 | |
喪が明けて明日へ飛躍の紅を引く | 髙木みち子 | |
「きらきら」 戸田冨士夫 選 | ||
戦さなどしない鰯のトルネード | 猿渡智子 | |
取れぬからなおさら光るラムネ玉 | 松浦美津江 | |
宝石きらきらきっと淋しい人だろう | 川村道子 | |
「破る」 佐藤文子 選 | ||
破られたページが抱いていた焔 | 松原ヒロ子 | |
恒常を破る未完の炎を求め | 小柳津絢子 | |
今を生きよう昨日の影を破り捨て | 鷲尾貞子 | |
「雑詠」 加藤田鶴子 選 | ||
一語捨て一語を得たりよもすがら | 浦山久仁重 | |
潔く生見直して命積む | 小柳津絢子 | |
鶴の一声閂は外される | 浅井典子 |