歴史と伝統の中日川柳会の秀句

令和元年12月句会の秀句
「整理」 廣田洋江 選
ととのえて花一輪も生きかえる杉田三江子
リストラという薄氷を踏んでいる佐藤文子
六根清浄残り時間は整理する鷲尾貞子
「帰る」 川越洪太郎 選
帰る場所あって大空飛び回る矢野五十二
殻脱いだ私が帰る母の海位田仁美
マリアナから帰るシラスの深い謎荒川八洲雄
「貸す」 倉知武好 選
貸したとは決して言わぬ母の愛戸田冨士夫
肩を貸し育てた弟子の影が濃い小柳津絢子
武骨だが私の両手なら貸そう佐藤文子
「スカウト」 梶田隆男 選
強烈なスカウトだった愛だった鷲尾貞子
温暖化へ神のスカウトかもグレタ戸田冨士夫
秋の画布発掘したい野の一樹白石てる
「すごい」  冨田末男 選
凄腕の袖から情が漏れている佐藤文子
光れども磨く先行くすごい人近藤満智代
百歳の生命線がまだ伸びる松原ヒロ子
「雑詠」  荒川八洲雄 選
暮色濃い自省の鐘が鳴るばかり小川正塔
君いつも心に凛と富士の峰川村道子
ああヒト科因果応報まで崩す戸田冨士夫

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