歴史と伝統の中日川柳会の秀句

令和2年1月句会の秀句
「しっかり」   加藤友三郎 選
契約書しっかり読んで行く施設 織田広花
哲学をしかと貫く梅の花 鷲尾貞子
冬枯れの葦はしっかり根を下ろす 廣田洋江
「仕込む」   荒川照美 選
生きのびるパワーを秘めた花の種 猿渡智子
仕込まれたシナリオにない返し針 島津敏子
雪月花ゆっくり母に仕込まれる 松原ヒロ子
「和やか」   森峰義 選
荷くずれを知らぬ穏和な老い二人 三好金次
団らんのまん中で聞く呱々の声 橋本悟郎
かごめかごめ鬼も一緒に手を繋ぐ 江崎秀子
「掴む」   原田多喜 選
真相を掴んで水が流れ出す 荒川照美
妄執に掴まれもがく深い川 橋本あずさ
川底で掴むかすかに光る石 喜多村正儀
「メニュー」   佐藤文子 選
引き出しをあれこれ持っている閻魔 森峰義
南無南無と人生メニュー消していく 位田仁美
懺悔する私のメニュー繰っている 木村英昭
「雑詠」   木村英昭 選
冬の雷この世に裁くものがある 川村道子
赤心を込めて綴った初便り 佐藤文子
望外な野心を笑う影法師 赤星陽子

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