歴史と伝統の中日川柳会の秀句 |
令和3年11月句会の秀句 |
「種」 島津敏子 選 | ||
どの種も不屈の魂だいている | 松原ヒロ子 | |
母の胸種も仕掛も抱いている | 髙木みち子 | |
一粒の種やがては森を深くする | 矢野五十二 | |
「うるさい」 江崎秀子 選 | ||
落葉たち騒ぎ無常の地に還る | 大野よね | |
一輪挿しの花の角度にひとくさり | 矢野五十二 | |
雑音は消して見上げる望の月 | 松原ヒロ子 | |
「もがく」 森峰義 選 | ||
煩悶の愛確かめたくて出す手紙 | 髙木みち子 | |
火とならん昨日の我を脱ぎ捨てて | 川村道子 | |
千枚の鱗を削いで再起する | 佐藤文子 | |
「テスト」 木村英昭 選 | ||
心理テスト君の深層覗き見る | 川村道子 | |
三月の無念カラカラ風の絵馬 | 朝岡えりか | |
一枚のテスト用紙に岐路がある | 松原ヒロ子 | |
「雑詠」 加藤田鶴子 選 | ||
大落暉秋の絵柄を深くする | 加藤由美 | |
実紫秋の思考を深くする | 松原ヒロ子 | |
句集耽読 人という字が愛おしい | 橋本あずさ |