歴史と伝統の中日川柳会の秀句

第130回 中部地区川柳大会(誌上)入選句
「構」 浅見和彦 選
正眼の構えを解いて余生ゆく木原恵子
真実が虚構の中で踠いてる惠利菊江
身構えるポーズを知らぬ揚羽蝶ささきのりこ
「構」 宮内多実子 選
裃を脱いでも父は父である松原ヒロ子
抱きしめる構えで待っている両手喜多村正儀
ワクワクと林住期への下絵描く杉島悦子
「浴びる」 山下吉宣 選
陽光を浴びてゴーヤの空になる安藤なみ
同じ陽を浴びてもみんな違う影喜多村正儀
四捨五入砲火を浴びる覚悟して山路良枝
「浴びる」 猫田千恵子 選
人を恋う愚かさ秋の陽を浴びて柴田比呂志
黙祷へ読経のような蝉しぐれ武藤敏子
土砂降りの妻へ僕には傘がない加藤友三郎
「ずるずる」 今田久帆 選
きっぱりと延命を断つ冬銀河小柳津絢子
美しさに棘を承知で惹かれてく田引智子
腐れ縁にけじめを付ける句読点堀内重紀
「ずるずる」 鈴木順子 選
生き恥も引きずって行く新天地やまぐち珠美
ばかだねぇとつぶやく今も腐れ縁青砥和子
ずるずるとポテトチップもおしゃべりも三好光明
「マイナー」 重徳光州 選
男はロマンマイナーのまま果てようと佐藤文子
こぼれ種 大地はすべて抱き留める廣田洋江
真実を見抜く眼を持つ少数派猫田千恵子
「マイナー」 佐藤文子 選
盃に秋の知性が伏せてある松原ヒロ子
マイナーに透ける不屈の心意気佐瀬貴子
カスミ草花の掟を凛と抱く浅井典子

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