歴史と伝統の中日川柳会の秀句 |
令和5年1月句会の秀句 |
「さっと」 本多雅子 選 | ||
熱湯に緑鮮やか初若布 | 阪本周司 | |
百歳が逝く一陣の風となり | 早川節子 | |
さっと譲られた座席が温かい | 朝岡えりか | |
「厚い」 赤星陽子 選 | ||
幾度の冬へ手厚い人の恩 | 鬼頭照苑 | |
厚い情け昭和の路地は乾かない | 堀田志保 | |
厚遇をされてもやがて回る椅子 | 佐藤文子 | |
「支える」 梶田隆男 選 | ||
ありがとうを支えに伸びる若い木々 | 住田勢津子 | |
「人」の字を書く人間の重さ知る | 小柳津絢子 | |
どの針も程好く錆びて支え合う | 廣田洋江 | |
「翼」 原田多喜 選 | ||
紙にペンあれば翼になるだろう | 佐藤文子 | |
抱卵の翼 生死をかけている | 新川照美 | |
未来を掴む予感翼が生えてきた | 橋本あずさ | |
「雑詠」 冨田末男 選 | ||
未完の絵あすへ輝く彩を足す | 髙木みち子 | |
にんげんを語れば深い森に着く | 川村道子 | |
枯野から春の息吹が立ち上がる | 松原ヒロ子 |