歴史と伝統の中日川柳会の秀句 |
令和5年5月句会の秀句 |
「少 し」 水谷 裕子 選 | ||
樟若葉 薄紙はがす試歩の靴 | 荒川 照美 | |
少しずつ山葵きかせる恨み節 | 森 峰義 | |
三分から五分粥になる青い空 | 廣田 洋江 | |
「認める」 江崎 秀子 選 | ||
受け入れることがスタート写経筆 | 荒川 照美 | |
言い訳に差したと分かる破れ傘 | 喜多村正儀 | |
保護犬が私の手から餌を食べ | 織田 広花 | |
「 板 」 原田 多喜 選 | ||
木版が世界を魅了ジャポニズム | 荒川 照美 | |
板塀を激しく叩く虎が雨 | 松原ヒロ子 | |
カマボコの板の役目をしています | 川越洪太郎 | |
「遠 い」 戸田冨士夫 選 | ||
遠景に銃後守った母の影 | 佐藤 文子 | |
遠雷は父の叱咤か鳴り止まず | 杉本 憩舟 | |
理想には遠い世界の平和主義 | 梶田 隆男 | |
「雑 詠」 倉知 武好 選 | ||
便利さに盛られた毒が効いてくる | 木原 恵子 | |
里の味包む地方紙読みふける | 岩田 マリ | |
夢を追う木馬が宙を飛びたがる | 髙木みち子 |