歴史と伝統の中日川柳会の秀句 |
平成25年11月句会の秀句 |
「キー」 |
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キーワード忘れて森を出られない | 孝子 | |
釈明のキーを探しているホテル | 英昭 | |
さあおいで心にキーはかけてない | 由美子 | |
「わがまま」 |
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我を通し空しい風が吹き抜ける | 和喜子 | |
わがままも空気になった阿吽の背 | 友子 | |
余命聞きわがまま許す不仲妻 | 久仁重 | |
「分ける」 |
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生きてゆく風の匂いを嗅ぎ分けて | 道子 | |
熱かんを仏と分けて秋深む | 文子 | |
炊き出しの鍋に民意が照らされる | 照美 | |
「尻尾」 |
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雨風に耐えた尻尾が物を言う | 時任敏子 | |
尻尾振る男の哀を見てしまう | 文子 | |
葛藤の尻尾八起を繰り返す | よね | |
「怖い」 |
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戦争も津波も風化する怖さ | 時任敏子 | |
十指から自由が落ちてゆく怖さ | あずさ | |
一球の怖さをしっているエース | 島津敏子 | |
「雑詠」 |
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座禅堂白い心になれるまで | 孝子 | |
本の朱線はあなたの叫びだと思う | 文子 | |
たまに陽も当たる力みを捨ててから | 陽子 |