歴史と伝統の中日川柳会の秀句

平成26年2月句会の秀句
「さりげない」
さりげなく後列に付く思惟の靴 洋江
何気ない顔でスランプ乗り越える 陽子
渡された詩集にひとつ押し花が 正塔
「ほころぶ」
繕った針に昭和の灯が映る 絢子
振り向けばどのほころびも我が不徳 剛史
慢心の背の綻びに気付かない 文子
「くっきり」
ロゼワインあなたひとりを浮かばせて 文子
くっきりと瞼に浮かぶ恩の数 剛史
鮮明に愛の指紋がまだ残る ヒロ子
「転ぶ」
強さとは転んだ後の対処法 照美
友情は転んだ訳を糺さない 由美
八起き目は神や仏の手は借りぬ 剛史
「スクープ」
スクープの跡の累累たる屍 正塔
六道の辻にスクープ落ちていた 多喜
スクープの旅に命を削る音 ヒロ子
「雑詠」
雪解けを待つ信念に縒りをかけ 嘉山
命とやICUへ射す朝日 陽子
スイッチオフ僕をゆっくり考える 英昭

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