歴史と伝統の中日川柳会の秀句

平成26年5月句会の秀句
「目配り」
細心の目配り黒子役がいる 節子
目配りも気づかぬ木偶で疎まれる みち子
采配の見事な所作や裾捌き 伸枝
「くすぐる」
くすぐって尖った冬の座が和む 和喜子
一つ褒めやる気へ二つ目も褒める 一荘
プライドをそっとくすぐる丁寧語 嘉山
「うるさい」
薫風のそれとも知らず纏い付く 千絵
重箱の四隅を突いてくる苦言 文子
草笛をいっぱい吹いた昆虫記 千代子
「捉える」
一瞬を母の眼は見逃さぬ 文子
百万の露を捉えて森静か ヒロ子
万本のバラよハートは捉えたか 孝子
「モザイク」
モザイクはいらぬ素顔の妻が好き 照苑
モザイクをかけた虚飾の砂の城 島津敏子
モザイクがとれたら潮も引いて行く 伸枝
「雑詠」
一通の封書と春の円舞曲 文子
理想まんだら砂の器に火が走る 嘉山
盛衰を知る腹心の友がいる 節子

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