歴史と伝統の中日川柳会の秀句 |
平成26年10月句会の秀句 |
「彩り」 |
||
自画像の彩原色は避けている | よね | |
上辺だけ彩るペンは折れやすい | 和喜子 | |
修羅越えて彩りを増す人間味 | みち子 | |
「熟れる」 |
||
熟成の余白へ今日の夢さがし | ヒデ子 | |
月満ちて妻から母の顔に熟れ | 由美 | |
熟読の本一冊に捕らわれる | 道子 | |
「和」 |
||
風呂敷に包む雅な和の心 | ヒロ子 | |
和がいのち一期一会の茶会席 | 和喜子 | |
荒ぶ世や大和言葉が行き昏れる | 文子 | |
「こっそり」 |
||
こっそりと残り時間を振ってみる | ||
こっそりとガラスの靴をはいてみる | 貞子 | |
旅に出てこっそり余白遊ばせる | ヒデ子 | |
「滑る」 |
||
滑る口重い口とでよくもめる | 雅子 | |
文明の地滑り止まぬ地獄絵図 | 冨士夫 | |
滑っても私の愛が受け止める | のどか | |
「雑詠」 |
||
柿紅葉紆余曲折が織る錦 | 照美 | |
風韻をいざなう置手紙の白 | 絢子 | |
平静は見せかけ泡の浮く水面 | 由美 |