歴史と伝統の中日川柳会の秀句 |
平成27年8月句会の秀句 |
「気配」 |
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祈りいちず軍靴の音が高くなる | 道子 | |
気配から洞察力を光らせる | 末男 | |
反攻の気配へ風を読んでいる | 柳子 | |
「腐る」 |
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淀んでる川が個性を腐らせる | 島津敏子 | |
腐るまい私菩薩の顔で生き | 金次 | |
腐葉土も明日の命を抱いている | のどか | |
「まちまち」 |
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彼岸への歩みまちまち汗淋漓 | 東風 | |
箸二膳違う思想を持っている | ヒロ子 | |
百あれば百の個性と真向き合う | 文子 | |
「手堅い」 |
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堅実をモットーにしてぶれがない | 和喜子 | |
真結びで風のうわさは寄せ付けぬ | あずさ | |
愛はふたたび結び目を手堅く撫でる | 嘉山 | |
「閉じる」 |
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一日を閉じる男の広い海 | 柳子 | |
生き切ってほれぼれとするデスマスク | 八洲雄 | |
山門へ女を閉じた櫛を置く | 金次 | |
「雑詠」 | ||
脈を打つ思想の核が今ほしい | 和喜子 | |
七十年偽装平和に鳴らす鐘 | 勝志 | |
立秋の窓の朝日に深呼吸 | よね |