歴史と伝統の中日川柳会の秀句

平成27年11月句会の秀句
「ずるずる」
夢はまだ夢終章へなだれ込む 文子
ずるずるを嫌う男のジャンプ力 甫子
ずるずるの僕へ大きな句読点 孝子
「向かう」
明日へ向く一直線の炎になって 和喜子
勝ちに行くとても静かな靴の音 照苑
晩学の森の深さに立ち向かう 敏子
「ソフト」
天 しなやかに生きてこころという砦 文子
理不尽な風をソフトに受け流す 田鶴子
万葉集繰れば軟派の声がする 道子
「親切」
履物を揃えてくれた小さな手 金次
あの時の親切ぼくの核になる 孝子
人柄が滲むとっさの助け舟 勢津子
「感じる」
鮮烈な痛みが走る生死愛 文子
感動の二字こそ生きるエネルギー ヒデ子
感性がはじけ詩魂をほしいまま 和喜子
「雑詠」
蒼天に抱かれて毒が抜けてゆく ヒロ子
身の底の炎で老いを寄せつけぬ 和喜子
遅くない跳び立つ力あるかぎり 登茂子

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