歴史と伝統の中日川柳会の秀句 |
平成28年3月句会の秀句 |
「暴走」 | ||
暴走も猪突もあった大河澄む | 洋江 | |
菜の花が無謀に咲いた私の絵 | 隆男 | |
暴走の我が子に絵馬が揺れやまぬ | 田鶴子 | |
「ぬるい」 | ||
恒例の白線流し水ぬるむ | みち子 | |
ぬるま湯に思案の首が浮いている | 田鶴子 | |
水ぬるみ春を一気に染め上げる | 雅子 | |
「勝つ」 | ||
勝因は父の苛酷な時刻表 | ヒキノ | |
難問を解いて明日の戸を開ける | のどか | |
必勝の呪縛に足をすくわれる | 英昭 | |
「おどおど」 | ||
不安げな白杖に手を交差点 | 自津夫 | |
人の世に怖気ついたか蒼い薔薇 | 隆男 | |
活断層の上に私の城がある | 道子 | |
「多分」 | ||
この星が割れてもきっと逢いに行く | ヒロ子 | |
多分無理言われて奮起サクラ咲く | 孝子 | |
雨傘の中はふたりの小宇宙 | 文子 | |
「雑詠」 |
||
人形も快楽を抱けば眠れまい | 文子 | |
贅沢になれた女の軽い箸 | 瑞恵 | |
葉桜になれば吉報私にも | 陽子 |