歴史と伝統の中日川柳会の秀句 |
平成28年6月句会の秀句 |
「避ける」 |
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膠着を避け白旗を振る勇気 | 照美 | |
親密を保つ掟の車間距離 | ヒキノ | |
平坦を選び続けた悔いがある | 洋江 | |
「病」 |
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風に立つ覇気が病を寄せ付けぬ | 悟郎 | |
男はんあなたも愛の狩人か | 文子 | |
海鳴りが止まぬ地球が病んでいる | 敏子 | |
「分かる」 |
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鶴を折る鶴の痛みがわかるまで | 貞子 | |
分かってる人は饒舌にはならぬ | ヒロ子 | |
黙約へくちなしの頃届く文 | あずさ | |
「説明」 |
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説明は要らぬ印籠見せておく | ヒロ子 | |
解き明かす宇宙神秘のままが良い | 道子 | |
風光明媚野暮な説明などいらぬ | 和子 | |
「シャツ」 |
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男のシャツ槍一本を秘めている | 衛 | |
赤シャツを青空に干す漱石忌 | 文子 | |
シャツを脱ぐ今日の私を脱ぐように | 勢津子 | |
「雑詠」 |
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負けて勝つ引出しひとつ増えました | 節子 | |
清濁を呑んで大人になってゆく | 孝子 | |
ありがたい梅雨は地球に贈り物 | 登茂子 |