歴史と伝統の中日川柳会の秀句 |
平成28年7月句会の秀句 |
「小刻み」 | ||
人生哲学蟻の一穴からまなぶ | 道子 | |
刻々と男に潮が満ちてくる | ヒロ子 | |
美女になる合せ鏡の微調整 | 英昭 | |
「すさぶ」 | ||
吹きすさぶ風も友だち野の一樹 | 照美 | |
何をすさんで太陽を黒く描く | 文子 | |
飴ひとつすさぶ心に沁みてくる | 勢津子 | |
「狭い」 | ||
狭くても天国終の棲家です | 由美子 | |
正論へ肩身が狭い多数決 | 由美 | |
独善の影まで寒い狭い視野 | 剛史 | |
「出す」 |
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母に出す便りに温い絵を添える | 田鶴子 | |
あしたへと続く汗なら出し切ろう | 剛史 | |
その時は神が答えをきっと出す | 陽子 | |
「物」 |
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物欲は皆無願いはピンコロリ | 孝子 | |
口下手の父の背中が宝物 | 五十二 | |
本物は素手と素足でつかみ取る | 雅子 | |
「雑詠」 | ||
風化せずいのちの底を這う絆 | 剛史 | |
まだ揺れて終着駅に立ち尽くす | 貞子 | |
漕ぎ抜けた怒涛の海は語るまい | 隆男 |