歴史と伝統の中日川柳会の秀句 |
平成28年10月句会の秀句 |
「したたか」 | ||
八起き目は藁一本を掴み取る | 照美 | |
礫にも噂にも馴れよく眠る | 陽子 | |
逆境にめげず真っ赤に咲いている | 文子 | |
「見習う」 | ||
見習っていつか大河の主になる | 敏子 | |
見習いつつ磨く個性が光りだす | 満智代 | |
先人の知恵を盗んで伸ばす蔓 | ヒキノ | |
「やるせない」 | ||
生き抜いた重さもやがて空になる | 由美 | |
やるせない時間を溶かすリルケの詩 | 英昭 | |
咲き誇る花の刹那がやるせない | 文子 | |
「思わず」 | ||
萩ゆれる思わぬ人の告白に | ヒロ子 | |
胸中の銃を思わず握った日 | 正塔 | |
一枚の秋が乙女にしてしまう | 道子 | |
「天敵」 | ||
天敵に真っ赤な夕日蹴っている | 勢津子 | |
天敵はないのか雲は悠々と | 道子 | |
天敵と秋の理性を分かち合う | ヒロ子 | |
「雑詠」 | ||
地球を担ぐ青雲の志 | 典子 | |
後悔はしないと決めた曲がり角 | ヒロ子 | |
熟考へ天から降りて来る下五 | 八洲雄 |