歴史と伝統の中日川柳会の秀句

平成28年11月句会の秀句
「ひとしお」
喜びもひとしお朝日拝んでる 周司
ひとしおの情けで紡ぐ生きるとは のどか
忘れ得ぬ影ひとしおの望の月 友子
「身に余る」
身に余る半分だけにしておこう 末男
免許返上空気のなんとうまいこと 八洲雄
身に余る責務へ強くなる肋 典子
「しあわせ」
しあわせの下絵に滲む哀と苦と 絢子
嬰児の笑顔は母を離さない 登茂子
しあわせの背中に刺さる妬心の目 なお子
「騒ぐ」
騒ぐまいまだ手付かずの明日がある 島津敏子
喧騒を避けて山河の音を聴く 照苑
騒がれて騒いで暮れていく今年 典子
「データ」
信じれば神や仏になるデータ 八洲雄
希望持つ為にデータを整える 末男
せめぎ合う数値をほどく正誤表 よね
「雑詠」
おむすびの真んまん中は母の愛 文子
尾は振らぬ絶対振らぬノラの意地 恵子
便利さに慣れて人間退化する 智子

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