歴史と伝統の中日川柳会の秀句 |
平成29年4月句会の秀句 |
「眉」 | ||
修羅越えて今やすらぎの眉を引く | みち子 | |
希望とははるか彼方に眉の月 | 勢津子 | |
眉を濃く生きる力に足している | ヒデ子 | |
「くらべる」 | ||
紅葉に敗けず劣らぬ花筏 | 自津夫 | |
いのちとはのび代比べ花野まで | ヒデ子 | |
わたくしが狙う大きな玉子焼き | 照苑 | |
「もやもや」 |
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一瞬にもやもやを消すありがとう | 冨士夫 | |
逡巡の渦に句点をどう打とう | 洋江 | |
もやもやを修正ペンが問い直す | 自津夫 | |
「脱ぐ」 | ||
いい嫁を脱いで掴んだ青い空 | 照美 | |
素に生きてからの私が匂い咲く | 道子 | |
今日を脱ぐ明日の翼に乗るために | 文子 | |
「トランク」 | ||
トランクに昭和の森が詰めてある | 島津敏子 | |
トランクに夢いっぱいのハネムーン | 満智代 | |
トランクに母だと分かる紙包み | 正儀 | |
「雑詠」 | ||
風除けの背中だったねそっと拭く | 道子 | |
生きるとや薬並べて命乞い | 美恵子 | |
深掘りをすると濁ってくる泉 | 正儀 |