歴史と伝統の中日川柳会の秀句 |
平成29年5月句会の秀句 |
「心配」 |
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心配無用死生観なら確と抱く | 文子 | |
ああ濁世不安の森をどう抜ける | 孝子 | |
定型の枠をはみ出す火の行方 | あずさ | |
「やめる」 | ||
退職を起点に未知の船に乗る | 照美 | |
山紫水明ここらあたりが辞め時か | 文子 | |
満面の笑みが烈火の火消し壺 | 自津夫 | |
「アイス」 |
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メルヘンを氷室に溜めて春を待つ | 衛 | |
ツンドラの心を溶かす火の手紙 | ヒロ子 | |
氷上の手すり磨きも未来形 | ヒデ子 | |
「ぶらぶら」 | ||
一房のぶどうを揺らすテロリスト | あずさ | |
やじろべい人の功罪どう裁く | 道子 | |
進退に揺れて落暉を見失う | あずさ | |
「威張る」 |
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全力で生きて来たから大威張り | 五十二 | |
見てごらん威張ればメッキ剥げてくる | 陽子 | |
本当の強さは威張ったりしない | 文子 | |
「雑詠」 |
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叩かれて悟るこの世の不等式 | 正塔 | |
母を抱く母の生命の音をきく | 仁美 | |
地平線自戒の石を積んでいる | 島津敏子 |