歴史と伝統の中日川柳会の秀句

平成29年6月句会の秀句
「じっくり」
正念場ゆるりロダンとなる私 典子
じっくりと煮込んだ愛だ揺ぎない 道子
腰を据えリベンジの策練り直す 悟郎
「踏んばる」
引き潮へ踏んばり甲斐のある素足 美津江
踏んばってみても所詮は砂の山 田鶴子
踏んばった手足が踊る新生児 自津夫
「取る」
運命の切り取り線で神に遭う みち子
人生の秋に取り組む風の舞 あずさ
薫風や取るに足らない咎ひとつ 文子
「ぴちっと」
行進が揃い過ぎてるのが怖い 久仁重
ぴったりと閉じた心よ何を抱く 勢津子
密封の掟を破る独り言 隆男
「余分」
余分な命などはない蝉時雨 典子
晩学の森で余分な鱗剥ぐ 島津敏子
余分なら天の羽衣脱ぎますよ ヒロ子
「雑詠」
六月の木綿のシャツは風がすき 勢津子
思いやる位置の確かさ雨上がる 照美
生きる重さよ縄文杉の武者震い 典子

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