歴史と伝統の中日川柳会の秀句 |
平成29年7月句会の秀句 |
「急ぐ」 |
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急激な変化に燃える命の火 | 絢子 | |
急がねば魔女に切られる蜘蛛の糸 | 照苑 | |
急ぎます潮目しっかり読めたので | 文子 | |
「蓮」 |
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目を瞑り心経読むと見える蓮 | 久仁重 | |
逢いに行く紅蓮の炎抱き締めて | よね | |
いにしえの語り部だろう古代蓮 | 隆男 | |
「佇む」 |
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佇んでしばし仏を取りもどす | 君江 | |
身を守るように佇む帯の芯 | 由美 | |
英雄の背なにぽつりとある孤独 | 隆男 | |
「全く」 |
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悠久の歴史に揺るぎない山河 | 雅子 | |
折り合ってぶつかり合って人になる | 文子 | |
すべて無に再起の草鞋編んでいる | 節子 | |
「チェック」 | ||
国民の目にはチェックが甘すぎる | 友三郎 | |
妻の勘税関よりも手厳しい | 陽子 | |
家計簿を必ずチェックする夫 | 島津敏子 | |
「雑詠」 |
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長針をはずしてのどか老いの坂 | 自津夫 | |
生き方の美学汲めども尽きぬ愛 | 満智代 | |
東京の不快指数を変えた風 | 雅子 |