歴史と伝統の中日川柳会の秀句 |
平成29年8月句会の秀句 |
「夕立」 |
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夕立のような顔色すぐ晴れる | 満智代 | |
夕立が暑気のだるさを吹き払う | 剛史 | |
母さんの予報雨のち虹らしい | 洪太郎 | |
「変える」 | ||
ひらめきを十七音にする愉快 | 智子 | |
発想を変えて私を光らせる | みち子 | |
その出合い私を変えた遍路宿 | 千代子 | |
「煙る」 | ||
憂き事を流す蘭麝をくゆらせて | 文子 | |
織部焼き窯のけむりもうす緑 | ヒロ子 | |
風に舞い火に舞い煙る女の譜 | 由美 | |
「ゆったり」 | ||
図書館の自適よ本の海泳ぐ | よね | |
ゆったりの川の流れに潜む罠 | なお子 | |
シャガールの恋はゆったり空を舞う | 文子 | |
「台」 | ||
どしゃぶりもあった表彰台の虹 | よね | |
どん底で積んだ土台を抱く矜恃 | 隆男 | |
新風の台頭鞭を入れ直す | 千代子 | |
「雑詠」 |
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八月に動く昭和の古時計 | 律雄 | |
立秋の小さき闇へ香を焚く | 美津江 | |
余燼まだ花のいくさを抜けられぬ | あずさ |