歴史と伝統の中日川柳会の秀句 |
平成29年10月句会の秀句 |
「激しい」 | ||
袈裟切りにされても通す朱の主張 | 和喜子 | |
激論を重ねて広い海に出る | 孝子 | |
激流の地獄見て来た丸い石 | 川野友子 | |
「近づく」 | ||
近づけば張子の虎の糊の跡 | 英昭 | |
散り際の美学を抱いて風に立つ | 川村道子 | |
風雲の迫りつつあり桐一葉 | てる | |
「見事」 | ||
タクト見事に歓喜の森へつれていく | 川村道子 | |
舞い終えて見事な着地イチョウの葉 | 住田勢津子 | |
天の意志星一兆を思うまま | 久仁重 | |
「繋ぐ」 |
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舫い船どんな試練も乗り切ろう | 陽子 | |
勝つために水と油が手をつなぐ | 本多雅子 | |
つなぐ手にしっかと刻む未来像 | 剛史 | |
「べったり」 |
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濡れた手で感情線にふれないで | 猿渡智子 | |
べったりの古い絆を縫い直す | 久子 | |
青空の隅の隅まで未来塗る | てる | |
「雑詠」 |
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鉄棒の下にファイトが埋ってる | 小久江明子 | |
秋天へ炎の詩魂ほしいまま | 剛史 | |
秋を刈る母の軍手は逞しい | 久子 |