歴史と伝統の中日川柳会の秀句 |
平成29年11月句会の秀句 |
「餌」 |
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繋がれた鎖で餌に困らない | 高木みち子 | |
美辞麗句餌がたっぷり塗ってある | 松原ヒロ子 | |
鼻先の擬似餌に弱い蟻の群 | 住田勢津子 | |
「こだわる」 | ||
まっ白になるまで汚点洗い切る | 松尾由美子 | |
頑固一徹屋敷を守る鬼瓦 | 猿渡智子 | |
真っ直ぐにこだわる葦が立枯れる | 廣田洋江 | |
「てきぱき」 | ||
手際よい才女の花は凛と咲く | 大野よね | |
まだ弾むまりです鏡拭いてから | 鷲尾貞子 | |
手際よくひと日を過ごす秋袷 | 加藤田鶴子 | |
「捨てる」 | ||
野火走るもうこだわりは捨てました | 加藤田鶴子 | |
無に還る捨てるものなく風ひとつ | 浦山久仁重 | |
生きるとは取捨選択の風の道 | 橋本あずさ | |
「マフラー」 | ||
心にもマフラーを巻く深い思慮 | 島津敏子 | |
マフラーに生きねばならぬ顔がある | 松原ヒロ子 | |
マフラーの編目に宿る愛と憎 | 松浦美津江 | |
「雑詠」 |
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背負うものあって一日を慈しむ | 松原ヒロ子 | |
一画のとめにためらう齢とや | 木村英昭 | |
琴線に響きはらわたまで晒す | 沢田清敏 |