歴史と伝統の中日川柳会の秀句

平成30年3月句会の秀句
「別れ」 橋本あずさ 選
会者定離今日をあなたと濃く生きる 廣田洋江
別れ行く櫂の軋みをじっと聴く 小川正塔
惜別を重ね年輪太くなる 木村英昭
「やわらぐ」 小柳津絢子 選
おだやかに余白も生きて振り向かぬ 前田ヒデ子
他力だと気付いて風がやわらかい 橋本あずさ
行雲流水わたしの地図が晴れてくる 橋本あずさ
「ピント」 柳秀夫 選
進化へピント人は幸せになれたか 川村道子
それぞれのピントが光る生き上手 尾崎千代子
全霊でピント合わせたメスの先 島津敏子
「ぴりぴり」 住田勢津子 選
春の野にピリピリなんて脱ぎ捨てる 松原ヒロ子
4Bを激辛にして斬る世相 佐々木孝子
真っ白な心ぴりぴりなどさせぬ 戸田久子
「呼ぶ」 佐藤文子 選
直線ですか曲線ですか呼んだのは 前田ゆうこ
一本の鍵が嵐を呼ぶ予感 川村道子
切り岸で呼び止めたのは春の使者 橋本あずさ
「雑詠」 荒川八洲雄 選
人間模様をズームインする一行詩 川村道子
決断の時だ瀬音が高くなる 松原ヒロ子
春景の中に私を描き入れる 松浦美津江

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