歴史と伝統の中日川柳会の秀句 |
平成30年4月句会の秀句 |
「ずるい」 本多雅子 選 | ||
父の辞書ずるいの文字を嫌い抜く | 佐々木孝子 | |
狡猾に生き抜く知恵で種の保存 | 杉本憩舟 | |
ずるいのも逞しさかも芋の蔓 | 橋本あずさ | |
「コイン」 三好金次 選 | ||
爺ちゃんがビットコインを駆使してる | 森元恵美子 | |
足の無いビットコインが闊歩する | 橋本悟郎 | |
ビットコイン胴元やはり一人勝ち | 奥村勝志 | |
「おかしい」 加藤由美 選 | ||
孤独死も立派一つの死の形 | 猿渡智子 | |
合鍵はひとつと信じ切っていた | 佐藤文子 | |
やっぱりなみんなうすうす知っていた | 川越洪太郎 | |
「償う」 鷲尾貞子 選 | ||
どう償うか今神様に試される | 佐藤文子 | |
償いの花深い祈りの中で咲く | 川村道子 | |
償いの鶴真っ白の紙で折る | 大野よね | |
「料理」 中野要 選 | ||
てきぱきと男を料理生き残る | 島津敏子 | |
俎板の音も途絶えて妻が病む | 赤星陽子 | |
胃袋を掴みあなたと添い遂げる | 加藤由美 | |
「雑詠」 木村英昭 選 | ||
涙一粒百の佳言を打ち砕く | 小川正塔 | |
身の底に大事に仕舞うありがとう | 浜口剛史 | |
巣立ちした部屋に子の声子の匂い | 赤星陽子 |