歴史と伝統の中日川柳会の秀句

平成30年5月句会の秀句
「漏らす」 廣田洋江 選
世渡りが下手でジョークを聞き漏らす 森峰義
ため息を漏らす頂点の孤独 加藤田鶴子
円卓のユダから漏れた計り事 佐藤文子
「いじめ」 小川正塔 選
いじめには笑み満面で撃ち返す 大内敏男
根深さはいじめ意識のない苛め 本多雅子
安らかな寝息いじめをまだ知らぬ 加藤田鶴子
「鳴らす」 橋本悟郎 選
何ひとつ言わず白紙で非を鳴らす 加藤由美
癌完治歓喜の鐘を鳴らします 大野恵子
飽食へ警鐘鳴らす地球飢餓 橋本律雄
「柳」 倉知武好 選
柳腰今ではたよる幹となり 寺澤澄男
街角の柳に結ぶ忘れ物 鬼頭照苑
逢える日はわくわく描いている柳眉 佐々木孝子
「強い」 戸田冨士夫 選
泣きごとはひとつも言わぬ母でした 加藤田鶴子
まっすぐな眼差しきりり揺るがない 岩田マリ
一強を崩す野党がない無念 鈴木進
「雑詠」 冨田末男 選
なぞっては師の山脈を越えていく 佐藤文子
霧晴れてもはや迷わぬ道に立つ 赤星陽子
数多の夢断たれ鉄路の花哀れ 早川節子

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