歴史と伝統の中日川柳会の秀句 |
平成30年8月句会の秀句 |
「水」 島津敏子 選 | ||
炎熱に滾る水面へ逆さ富士 | 橋本律雄 | |
蛇口からたっぷり水の出る平和 | 住田勢津子 | |
洪水という冷や汗をかく地球 | 髙木みち子 | |
「書く」 杉本憩舟 選 | ||
人柄を背負う言葉を書く勇気 | 近藤満智代 | |
施設行く母の衣服に名前書く | 織田広花 | |
太く書く男の一分揺るがない | 松原ヒロ子 | |
「渡る」 原田多喜 選 | ||
神さまの歌だ梢を渡る風 | 梶田隆男 | |
生きるとは大河を渡るヌーの群 | 橋本あずさ | |
渡り合うライバル天の配剤か | 浜口剛史 | |
「脇」 佐藤文子 選 | ||
脇甘しあたら逸した天の時 | 浜口剛史 | |
脇道に私の秘密基地がある | 松原ヒロ子 | |
脇差しの位置に覚悟を抱いている | 梶田隆男 | |
「浅い」 浜口剛史 選 | ||
ただ狂え一期の浅さ知る時も | 小柳津絢子 | |
浅いから渡って来いと闇が言う | 佐藤文子 | |
受け皿が浅く玉子が割れません | 荒川照美 | |
「雑詠」 木村英昭 選 | ||
新盆の父の天の句かみしめる | 岩田マリ | |
完璧な主張たいかく線引いて | 荒川照美 | |
夢多彩余生の二字は荼毘に付す | 浜口剛史 |