歴史と伝統の中日川柳会の秀句

第122回 中部地区川柳大会入選句
「ハード」 岡本聡 選
人間に戻れなかった熱帯夜 青砥和子
石垣の石はハードを語らない 藤井史朗
ヘルパーが見上げて帰る天の川 丸山進
「ハード」 猫田千恵子 選
転がしてじっくり溶かす飴ひとつ 住田勢津子
跡までは消えぬHで書いたから 倉知武好
人間に戻れなかった熱帯夜 青砥和子
「こっそり」 丸山進 選
こっそりと星の錠剤のむ大河 喜多村正儀
倦怠期こっそり隠す夫婦箸 八甲田さゆり
ネコちゃんの名の通帳も持っている 戸田恵子
「こっそり」 今田久帆 選
満面の笑みでこっそり毒を盛る 橋本悟郎
見ぬ振りをして差しかける母の傘 白石てる
人知れずかいた汗には自負がある 山田とく子
「弁」 水野奈江子 選
答弁はしない私の野良仕事 中根のり子
手弁当でしたあの日の輝きは 柴田比呂志
弁解の下手な男に惚れました 楠木博子
「弁」 冨田末男 選
母さんの弁当箱は花畑 佐藤文子
弁解をすると哲学痩せてくる 松原ヒロ子
致死量の街で酸素を捜す弁 中川洋子
「絡まる」 奈倉楽甫 選
絡ませた指から恋が加速する 須田よしえ
合掌の指に絡まるある決意 前田ゆうこ
後半は喜劇絡まる罪忘れ 小柳津絢子
「絡まる」 松代天鬼 選
立ち枯れで絡みついてる理想論 木村英昭
絡まった言の葉真心でほどく 佐藤文子
会者定離絡めた指を風が捥ぐ 赤星陽子
「わざと」 荒川八洲雄 選
カラーボールわざと命中して奴隷 中川洋子
浮かび出る未必の故意という仕組み 杉本憩舟
アイシテル普段聞かない音がする 久田佑生

PAGE TOP