歴史と伝統の中日川柳会の秀句 |
平成30年12月句会の秀句 |
「厳しい」 小柳津絢子 選 | ||
厳しさを支えてくれた陽の温み | 住田勢津子 | |
五里霧中心に灯す一期の句 | 橋本あずさ | |
半音に何万回のピアニスト | 浦山久仁重 | |
「始末」 森峰義 選 | ||
恩ひとつ返して独り美酒を酌む | 浜口剛史 | |
初めての始末書を出す退職日 | 浦山久仁重 | |
後腐れないよう妻の手に着地 | 加藤由美 | |
「焼く」 住田勢津子 選 | ||
焼かれても焼かれても折る千羽鶴 | 髙木みち子 | |
かあさんの愛ふわふわの玉子焼き | 松尾由美子 | |
実直に生きた姿だ父の骨 | 岩田マリ | |
「トンネル」 松原ヒロ子 選 | ||
煩悶の深さよ結露するこころ | 浅井典子 | |
トンネルを抜けて駒子に会いにゆく | 加藤田鶴子 | |
青の洞門歴史をノミが語り継ぐ | 江崎秀子 | |
「くたくた」 中野要 選 | ||
くたくたになっても守るものがある | 川村道子 | |
くたくたの人生主語が見つからぬ | 伊藤充子 | |
ぼろ布のようにリストラされました | 島津敏子 | |
「雑詠」 荒川八洲雄 選 | ||
いのち残照すべて許した彩になる | 小林和喜子 | |
乱丁のページもあって人間味 | 梶田隆男 | |
短日やいつもの窓がもう染まる | 松浦美津江 |