歴史と伝統の中日川柳会の秀句 |
平成31年2月句会の秀句 |
「ひっそり」 廣田洋江 選 | ||
達観の朽ち木静かに横たわる | 松浦美津江 | |
啓蟄へ五感ひっそり磨いてる | 荒川照美 | |
静寂の森で己と真むき合う | 小林和喜子 | |
「映る」 本多雅子 選 | ||
満月を鏡で見せる床の母 | 髙木みち子 | |
濁世を映して雪は白いまま | 喜多村正儀 | |
山越えて映る夕日の無限大 | 前田ヒデ子 | |
「背負う」 梶田隆男 選 | ||
背負う苦悩を矜恃に変えて空高し | 小柳津絢子 | |
読めない地図背負うてあゆむ現在地 | 堀田志保 | |
哀楽を背に人間の旅つづく | 佐藤文子 | |
「ファースト」 赤星陽子 選 | ||
ファーストへプロは命を賭けている | 小林和喜子 | |
自分ファースト味方がひとりずつ消える | 佐藤文子 | |
真っ先に一語を選ぶなら心 | 浜口剛史 | |
「冷たい」 浜口剛史 選 | ||
さよならも言わずに去った影ひとつ | 小林和喜子 | |
真実が冷めた心を鷲掴み | 矢野五十二 | |
この道を信ず冷笑浴びてでも | 佐藤文子 | |
「雑詠」 加藤田鶴子 選 | ||
春隣り覗いて見たくなる花屋 | 荒川照美 | |
人は人等身大を貫こう | 浜口剛史 | |
発想を新鮮にする寒ざらし | 梶田隆男 |