歴史と伝統の中日川柳会の秀句

平成31年3月句会の秀句
「鼻」 青山良巳 選
何に飢えてる少年の鼻ピアス佐藤文子
桜満開鼻唄も出る車椅子佐々木孝子
鼻薬たっぷり嗅がす奥座敷浦山久仁重
「かすか」 松尾由美子 選
大地からかすかな鼓動春芽吹く住田勢津子
病床からかすかに母のありがとう髙木みち子
消し跡にかすかに残る悔いの文字恵利菊江
「子供」 森峰義 選
どの子にも母は利き手を空けている鷲尾貞子
子の地図の標となろう靴の底橋本あずさ
子供から今様学ぶ老い時雨本多雅子
「ころころ」 住田勢津子 選
なめらかに転げ逝きたい終の駅猿渡智子
月明り蛙は銀の笛を吹く小柳津絢子
ころころと笑う苦しい時笑う荒川照美
「見送る」 加藤由美 選
天寿全う森の一樹の根は絶えぬ橋本あずさ
見送った後に積もった情の嵩喜多村正儀
熟成が済むまで策は見送ろう佐藤文子
「雑詠」 荒川八洲雄 選
文字盤へ土を忘れていく十指小川正塔
ソプラノへ一気にキーを上げる春鷲尾貞子
プッチンプリンゆっくり含む母の春松浦美津江

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